三国志の旅。
今回は翠雲廊をご紹介します。
今回の旅で関係している三国志の人物は、蜀の「張飛」です。
張飛は劉備、関羽とともに桃園の誓いで義兄弟となり(1番年下)
死ぬまで劉備に仕えた人物。
夷陵の戦いの前に味方に寝首をかかれ、この世を去りました。
目次
翠雲廊とは
この翠雲廊は昔、蜀の都成都から、西安までを結ぶ道路の一部で、
蜀にとって、物資の運送や兵の移動などで、この道を頻繁に使用
しました。
特に翠雲廊がある場所は、蜀の軍事的重要拠点である剣門閣から
中原へ出るために必ず通る場所のため、人の往来が頻繁にありました。
当時、張飛がこの付近(閬中)の太守をしていました。
夏の暑さ、冬の寒さで移動中の兵士が病気にかかってしまうことが
頻繁にあったため、防寒、防暑のため、柏の木をこの道沿いに植えました。
言い伝えによると、「午前中に木を植えると、午後には日陰を作った。」
とあり、ものすごいスピードで植樹されていたことがわかります。
簡単にまとめると、「蜀の重要な道に暑さ、寒さ対策のために
張飛が柏の木を大量に植樹した。」ということです。
文献によると、翠雲廊には約10万本もの柏の木が植えられたらしい
のですが、自然災害や、文明の発達による伐採、道路工事などで
現在はここにある8000本のみしか残っていないらしいです。
張飛が植えた古柏の木は今なら樹齢1800年です。
直径が2メートルを超える柏の木は張飛が植えたとされる可能性が
高いです。
余談ですが、この古道では6回、大規模な植樹が
行われています。
1回目:秦の始皇帝による植樹
これが初めての植樹。樹齢2000年をこれる木は秦時代に植えられた
ということになります。
2回目:三国時代の張飛によって植えられました。
3回目:晋の時代。高さ18メートルほどの木がこの時代に植えられたとされています。
4回目:唐の時代。楊貴妃は、ライチが好きだったようで、そのライチを
運ぶためにこの翠雲廊を使用していました。道の修繕とともに
造林されました。
5回目:宋の時代。広元から成都にかけて、全体的に造林を行いました。
6回目:明の時代。剣閣の県長により植樹されました。
このような歴史があります。
翠雲廊の中へ
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/C2417A5B-702C-4C2F-A21E-72778623FD98-300x225.jpeg)
さきほどお伝えした通り、ここも剣門蜀道の一部です。
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/286E90EF-2C75-448D-BF18-DCA87B05D036-300x200.jpeg)
こちらは、当時の翠雲廊を描いたものです。
多数の柏の木の中に家などがぽつぽつと。
後から気づいたのですが、この絵は、まさに僕が今いる場所の様子を
描いていました。
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/E39174AB-8633-45A7-A3A2-99E49A2CE173-300x200.jpeg)
展望台でしょうか。上に登ることができます。
造りは比較的新しいです。
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/2064FA2F-DE77-4F34-A4C6-F94BBF3A48FF-200x300.jpeg)
張飛の像です。
「張飛植柏」と書いてあります。大きくて立派な像でした。
剣門蜀道へ
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/E2640D47-CAB1-403F-A3F3-CE094FC52EC5-300x200.jpeg)
「剣門蜀道」の碑があります。
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/8DAB2E42-0E55-4BED-AD28-C924911BB43A-200x300.jpeg)
ここが本当の蜀道だそうです。
今は整備されていますが、昔はもちろん整備などされているはずはなく、
ガタガタの道を歩いたのでしょう。
僕の第1印象は、蜀道って意外と狭いんだな。
でした。ここを何万の兵が通っていたのが不思議でなりません。
道は狭いし険しいし・・・蜀は本当に山に囲まれた険阻な地
だったのだと実感しました。
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/12A25CEA-B0BC-4018-87AA-18C60AD98596-300x200.jpeg)
この石垣は昔のままなのでしょうか。
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/4C9B86F7-1127-4E3E-AE0D-49FB8387E404-225x300.jpeg)
真新しい標識が。
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/86257A10-1907-4EF8-A56F-389E38832BC0-300x200.jpeg)
蜀の古道の横には美しい花畑が。
遠くを見れば山。結構標高が高い所にあるのですね。
3月に訪れたのですが、空気は綺麗で菜の花も満開でした。
張飛柏
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/F1AE7154-6584-483F-87BF-5E02FF5CEC6A-300x225.jpeg)
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/A0EBB004-21D6-4E4B-AFF5-7C57936E7FC6-200x300.jpeg)
こちらが張飛が植えたとされる柏の木です。
根っこは張飛の力強さを象徴するかのようにしっかり張っています。
しかし、幹の部分は思ったより細いです。
枯れてきてしまっているのでしょうか。
しかし、立派な木に変わりはありません。
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/832579D9-7E73-45E4-894D-3C8355FCFC2D-200x300.jpeg)
逆光・・・
しかし、陽の光をしっかり遮っているのはわかっていただきたい。。。
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/F4CC4342-FAAD-4975-8363-0C42A80FB52E-200x300.jpeg)
昔はこの道には隙間がないくらいの柏の木が立っていたんでしょう。
その他有名な古柏
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/7E2295A4-EA44-4174-92E5-5DAF9555798B-225x300.jpeg)
周りを柵で囲まれた木
大きさからしておそらく秦の時代に植えられた柏でしょう。
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/7312F77D-B93F-4C9A-A26B-CF98D2FCBDFE-300x225.jpeg)
「三国鼎立柏」
曹操、孫権、劉備が国を納めたいわゆる三国鼎立の時に
植えられた柏の木。
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/748FBB3C-458C-454C-BD7C-327E0096CFB4-225x300.jpeg)
「阿斗柏」
降伏後、阿斗こと劉禅はこの道を通り、魏へ向かいます。
その途中、翠雲廊を通った劉禅は、張飛が植えた柏の木をみて
涙を流したと言います。
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/A7A277DE-A8AB-4B03-9C3B-3CE32A59796D-225x300.jpeg)
「黄忠柏」
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/59B0461B-8B8C-4106-B7F4-4E7EB43B4DB6-225x300.jpeg)
「魏延柏」
写真を撮り忘れたのですが、「先主柏」という、
劉備が益州を平定しその後、皇帝になったことを記念して
植樹された柏もあります。
![](https://lilo555.work/wp-content/uploads/2018/08/FAC993BB-7508-4A03-9525-76881F0A0A8D-300x200.jpeg)
古柏ではありませんが、張飛が使用したとされる
井戸がありました。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
翠雲廊は張飛が植えた柏の木だけではなく、三国志の英雄にちなんで
植えらえれた木、秦の時代に植えられた大木等、様々な年代の
柏の木が植えらえれています。
マイナスイオンのおかげか気持ちもすごく落ち着きます。
ここへは朝行くほうがおススメです。
みなさんも、張飛が植えた柏の木、
劉備、諸葛亮、魏延、黄忠、劉禅等、三国志の英雄が歩いた
蜀古道、翠雲廊をぜひ歩いてみてください。
※虫等はあまりいないので心配しなくて大丈夫です。
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