ラブバード、Lovebird、愛の鳥。
何だかそのものずばりの気恥ずかしくなるような名前ですね。
でも、ラブバードというのはどの鳥のことを指しているのかご存じですか。
小鳥をペットにしている方はご存じの方も多いことでしょう。
意外と身近に見られるペットの小鳥です。
以前、野生化したラブバードのニュースをふと、思い出したので調べてみました。
知られているようで知られていないラブバードとその変わった巣作り行動について紹介します。
目次
野生化したラブバードのニュース
まずは野生化したラブバードのニュースを見てみましよう!
南国の鳥のイメージがありますが逞ましく冬を過ごしているようですね。
インコが大量発生…野生化したペットか? 日テレニュース
なんで?川崎で外来種の“インコ”が大量発生 – FNNプライムオンライン
ラブバードとは?
ラブバードは英語で書くとLovebird。
よくありがちな流行の和製英語ではありません。
ペアーが仲睦まじい行動を見せることから名付けられた、れっきとした純正英語の名前です。
しかも英名にとどまりません。学術的な名前もそうなのです。
ここでちょっと理科・生物のおさらい。
私たち生物には世界共通語として種類ごとに学名が付けられています。
当然、一名一種です。
私たちヒトを学名で表すとHomo sapiens(ホモ・サピエンス)ですね。
ここでHomoはヒトの仲間であることを表す属名です。ヒト属です。
したがって、現世のヒトはヒト属の1種でsapiensという名(種小名と言います)をもつ生物ということになります。
さてラブバードにも当然学名があります。
ただしラブバードという名は一種類の鳥を指すのではなく、実は何種類も含んでいます。
すべて同じ属の鳥で、その属の鳥たちをラブバードと呼んでいるのです。
Agapornis(アガポルニス)、これがラブバード類の属名です。
そして、この属名はギリシャ語のagape愛+ornis鳥の合成語です。
英名とまったく同じ意味ですね。
なんとまあ、珍しい、すごい、でも粋な学名です。
この名をつけた人もきっと粋な人だったのでしょうね。
それはさておき、ラブバード類に含まれる個々の種にはもちろん種小名がついており、一名一種になっています。
ですが、日本ではこのAgapornis属の鳥のことをラブバードと呼ぶのはペット関連の記事を除くと少ないようです。
そして個々の種の和名に“愛”という語も使われていません。
どうしてかと言うと、この鳥に対し、英名や学名とは意味の異なる別の名前が日本名いわゆる和名として付けられているからです。
ラブバードというのはどの鳥のこと?
ラブバードとはボタンインコの仲間を指す名称です。
ゆえにAgapornis属は和名ではボタンインコ属です。
ちなみにボタンインコのボタンは漢字では牡丹です。そう、牡丹の花です。
これはこれで粋なネーミングです。日本人の感性ですね。
ボタンインコ類は、日本ではペットショップにいくと見られます。
セキセイインコやオカメインコといった鳥達と並んでいることが多いですね。
体長15cm位の小型で尾の短いインコ。
相対的に大きな頭や大きく見える目は、人の心をくすぐるかわいらしさも合わせ持っています。
見た目はセキセイインコやオカメインコと大分違います。
体色は緑、黄、赤、青、黒などで飾られ、色あざやかです。
ただ金切り声で鳴くのが玉に瑕のインコです。
ボタンインコ類は子飼いにすると良く慣れますので、手乗りインコとしても人気があります。
とっても可愛いですね〜。
最近はフィギュアなども出回っています。
ところで野生のボタンインコ類は現在9種存在するとされています。
それらはすべてアフリカ原産です。
その中でペットとして比較的良く飼われるのは次の5種類。
そのうち日本でもよく見かけるのは後ろの3種でしょうか。
ボタンインコ、クロボタンインコ、キエリクロボタンインコ、ルリコシボタンインコ、それとボタンは付いていませんが、コザクラインコ。
ちなみに、コザクラインコを除く4種は、かつて同一種とされていたことがあるほどお互いに良く似た種類です。
またこの5種類は皆、オスメスの区別が難しい鳥としても有名です。
性判別のためにDNA分析までしてくれる動物病院もあるくらいです(もちろん有料)。
これらの鳥、かつては輸入された野生個体も売られていました。
しかし現在ではコザクラインコを除くボタンインコ類は国際取引が規制されています。
したがって普通販売されているのは、コザクラインコを含めて人工繁殖で家禽化された品種個体と考えて良いでしょう。
そのため、色彩的にもさまざまな色変わり品種が見られます。
そして、今や体色を見ただけでは一見どの種類なのか良く分らない個体までいます。
それどころか、変わり者を産み出すために種間雑種も作られており、飼育個体で遺伝的に純粋な種を得るのが難しい状況になっているほどです。
ボタンインコ類の特異な巣作り行動とは?
このボタンインコ類、300種を優に超えるインコの仲間の中ではちょっとした変わり者です。
それはインコ類としては珍しい巣作り行動を行うからです。
インコの仲間は一般に樹洞などの穴に巣を構えて子育てします。
巣穴は自分で掘るのではなく、自然にできた木の洞や崖の穴、他の鳥が穿って作った巣孔などが利用されます。
また、他の小鳥のように巣穴に巣材を持ち込んだりしないのが一般的です。
せいぜい樹洞の内壁をかじってできる木くずなどを底に敷く程度です。
ですから、繁殖期になって巣作りするといっても、インコ類の場合は出来合いの穴を確保することがメインの仕事です。
そういうインコ類の中にあって、ボタンインコ類は一風変わっているのです。
彼らが繁殖するときには、巣穴に樹皮や葉などを切りさいた巣材を大量に持ち込みます。
それらを用いて樹洞などの中に文字通り巣を作り上げるのです。
飼育個体では新聞紙や稲わらを与えると良く使います。
さて、ボタンインコ類にはさらに特異な巣作り行動が見られます。
先にあげた5種類のうちコザクラインコを除く4種は巣材を巣に持ち帰るとき、それを嘴でくわえて運びます。普通の小鳥がやることと一緒ですね。
ところが、コザクラインコは巣材を運ぶとき、もっぱら腰など体下部の羽の間に巣材を挟みこんで運びます。
こんなことをするのが知られている種類には、ここでは紹介しなかった他のボタンインコ類や近縁のインコ種などほかにもいます。
ですが、それにしても鳥の中ではごく少数派です。
コザクラインコはそれだけ変わっている鳥なのです。
そのコザクラインコの巣材集めはこんな感じです(なお映像個体は色変わり品種です)
ところで、コザクラインコの巣材運び行動はもともと誰に教わらなくともできる遺伝的な行動です。
ですが飼育されている最近のコザクラインコを見ていると、繁殖のときにこの巣材を体羽に挟んで運搬するのが下手とか、しっかりやらない個体もいるようです。
雑種個体は上手にできないようですが、それだけでもないようです。
もしかすると条件の良い飼育下ではその必要もないということなのかもしれません。
あるいは飼い鳥として家禽化が進んでいるためなのかもしれません。
いずれにしてもちょっぴり残念なことです。
ボタンインコ類はオスメスの仲睦まじさからラブバードと呼ばれています。
ボタンインコ類は9種類いますが、すべてアフリカ原産のインコです。
一部の種類は家禽化され、いろいろな色変わり品種なども作られています。
インコ・オウムの仲間は一般的に巣穴に巣材を持ち込むことはありません。
その中で、ボタンインコ類では巣穴に巣材を運び込む行動が見られます。
さらにコザクラインコでは、巣材を運ぶとき、それを体の羽の間に挟みこんで運ぶという変わった行動を見せてくれます。
まとめ
いかがでしたか?
そういえば、私も小学生の時に文鳥とセキセイインコを飼っていたのを思い出しました。
インコはTVで流れている歌と一緒によく歌っていました。
皆さんも
飼いたくなりましたか?
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